2016年はリアルファーの犠牲が352,551頭分(年)の消費が減少
2016年の財務省貿易統計によると、毛皮(リアルファー)の輸入は、昨年同様に減少していることがわかりました。
注目すべき点は、価格の低下です。世界的にも毛皮の価値は大幅に下落していますが、日本の輸入額にも反映されています。
毛皮の原皮の全形(手だけやしっぽだけなどのパーツではなく動物の全形で輸入されるもの)で比較すると、
1点あたり2015年は17755円でから、2016年は10,787円と、60.75%に下落
しました。
この下落に乗じてか、キツネの全形の毛皮の輸入点数のみ増加していましたが、その他は輸入点数も減少しました。
今年の毛皮付き衣料品(靴を除く)の輸入量は、点数で4,009,020点、重量で1,730,789Kgです。
さらに、毛皮の原皮(手や足などのパーツ含む)の輸入量は、点数で150,199点、重量で125,260点です。
昨年比は、点数では約 93.85%、重量では79.07%でした。
2016年は細かい装飾にファーが利用されていた傾向があるため、点数は多く、重量が少なかったと考えられます。
重量で犠牲頭数を換算すると、
毛皮原皮のために約215,720頭
衣類に付属しているリアルファーのために約1,107,776頭※
合計約1,323,496頭※
と考えられます。
※衣類に付属しており毛皮以外の重量が含まれるため正確な換算はできません。
2015年から比較すると、352,551頭の犠牲が減りました!
それでも未だに130万頭以上の動物が日本人の消費のために犠牲になっており、迅速に犠牲数を減らし、生産量と同様に輸入量もゼロを目指していかなくてはなりません。
さらに、中国での生産は衰えておらず、安さのためにあえてファーを利用する非倫理的な企業も出てくると考えられます。日本の企業でリアルファーの利用を廃止しているブランドは多くはありません。実際に、多くの企業が近年はエコファーをメインで利用していても「消費者の需要があればファーを使う」と毛皮廃止宣言を躊躇しています。消費者の動向を伺い続け需要が高まればすぐにでもファーを利用したいとする企業は多いのです。
現在エコファーを使用しているブランドも、毛皮廃止の宣言をしていない企業は、倫理的な観点ではなく、たんなる流行を追っているに過ぎません。
おしゃれでファッショナブルな衣類や小物は、リアルファーを利用しなくてもすでに十分に作ることができます。最高級のものから、リーズナブルなものまですべて揃っています。
私たち消費者は、消費をするにあたっては、企業の姿勢、社会的責任をその商品自体で果たしているのかを見ていかなくてはなくてはなりません。
毛皮(リアルファー)の利用を廃止すると宣言していない企業やブランドに対し、【リアルファーを今後一切使用しないと宣言してください】と意見を届けてください。
引き続き、まだまだ苦しみ続ける動物のために、声を上げてください。
統計データ出典元:財務省貿易統計
靴製品を除く
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