5月から12月　殺されるまでの短い飼育期間

子育ての期間は5～６月から12月にかけてですが、その間に、繁殖用ではなく、毛皮用として選んだ動物に関して人間が気にするのは、その毛皮のクオリティだけです。
最後にもう一度毛皮の成熟度と質を確かめられたキツネは、売られ、殺され、皮を剥がれ、その皮だけが製品として加工されます。

飼育環境

中国の毛皮養殖場では、キツネやタヌキは金網（一つのマス目約3.5x4cm四方）でできた檻（長さ90cm、幅70cm、高さ60cm）の中で飼育されます。
それらがいくつも並んだ檻の列は、地上から40－50cm離れたところに設置され、平らな床も、寝床も、屋根もありません。
それぞれの檻には１～2匹ずつ動物が入れられます。

動物の大きさは、

• アカギツネ（学名：Vulpes vulpes）体重5.2－5.9kg、頭胴長66－68cm。
• 北極ギツネ（学名：Alopex lagopus）体重3.1－3.8kg、頭胴長53－55cm。
• タヌキ（学名：Nyctereutes procyonoides）日本に生息するものは体重2.5－6.25kg、平均体長56.7cm。
  フィンランド産は体重3.1－12.4kg、体長51.5－70.5cm。

中国の毛皮養殖場では、キツネやタヌキは金網（一つのマス目約3.5x4cm四方）でできた檻（長さ90cm、幅70cm、高さ60cm）の中で飼育されます。

精神的ストレス

強度の恐怖心、後天性の無力さ（物事への無反応、行動率の著しい低さなど）、自身の体を傷つけるなどの病的な症状がどの養殖場の動物にも見受けられ、これは動物福祉への配慮の欠如のあらわれと言えます。

治療は行われていない

世界中の毛皮動物養殖場の調査が行われているが、どこの養殖場でも病気にかかった動物、深く生命にかかわる傷を負った動物などの治療は行われている形跡はありません。
中国だけでなく、動物福祉への関心の高いヨーロッパにおいても、治療は行われていません。
実際に下記のような状態が撮影されています。
■脳みそが見える状態のまま飼育されている
■足がただれている
■感染症にかかっている
■耳などがただれ落ちている
など。

毛皮業者は毛皮の品質のために福祉的に飼育していると主張するが、実際福祉的な飼育が行われている養殖場はこれまで存在していません。

飼育環境：檻の大きさ