毛皮が使われた子供用衣料品と化学物質のリスク
2016年1月、イタリアの保健省から動物の毛皮が付いているいくつかの子供用衣料品の回収命令を市場に出しました。
人体に影響のある危険な科学物質が高い濃度で検出されたためです。
毛皮の毒性調査の結果
イタリアのアニマルライツ団体LAV (ANTI-VIVISECTION LEAGUE)は、「危険な毛皮は、我々が調査した毛皮毒性調査で証明されました。保健省は、毛皮の取引の決定的な追放を課しています。」と発表。
その調査結果は衝撃のものです。
少女(36ヵ月)のためのウサギ毛皮のついたフード付きのダウンジャケット
ブランド名:BLUMARINE BABY
動物の種類:ラビット(うさぎ)、スペイン原産
毛皮の染色:有り
購入地域:ミラノ
Carabinieri NAS(食品安全部門)によって公式のテストが行われた結果、非常に高濃度の六価クロムが検出されました。(EUの最大のセキュリティ基準(EU Regulation 301/2014)は3 mg/kgであるのに対し、37.3 mg/kg and 27.1mg/kgであった)
六価クロムは、発がん性物質であるだけでなく、人によってはアレルギー反応を引き起こします。
さらにこのBLUMARINE BABYのアイテムは、三価クロミウム(汗腺を通して吸収される)も含まれており、 ISS (Istituto Superiore della Sanità – Superior Health Institute)が皮膚への感作を避けるために推奨する数値18mg/kgに対し、168mg/kgも検出されました。
全て毛皮でできた赤ちゃん用の携帯用マット
ブランド名: Christ www.bellicomeilsole.itが販売
動物の種類:子羊
毛皮の染色:無し
子羊の毛皮で作られている幼児用ブランケットについても、三価クロミウム(汗腺を通して吸収される)が35mg/kg検出されており、前述の毛皮のジャケットほどではないものの懸念される濃度でした。
D&GとWoolrich
LAVの調査では、D&G(ドルチェ&ガッバーナ)とWoolrich(ウールリッチ)のアイテムでは、保健省はこれらのアイテムの入手ができず検査がなされませんでした。
しかし、LAVの調査では毒性が検出されています。
ラクーンドッグ(タヌキ)の毛皮のついた24ヶ月齢の幼児用パーカー
WOOLRICHが販売したラクーンドッグ(タヌキ)の毛皮のついた24ヶ月齢の幼児用パーカーでは、三価クロミウム86mg/kg、ホルムアルデヒド96 mg/kgが検出されました。
D&G
D&Gが販売したラビット(うさぎ)の毛皮のついた36ヶ月齢の女児用のコートからは、六価クロム3.5mg/kg、三価クロミウム219mg/kgが検出されました。
同じような結果が、2013年の調査でも出ています。
日本でも!
なお、日本の六価クロムの環境基準値は0.05mg/1リットル、ホルムアルデヒドは0.08mg/1リットルです。大きく基準値を超えています。