82.8%の人は今後毛皮を買わない:毛皮に関する意識調査結果発表
アニマルライツセンターでは、2022年6月~7月にかけて、毛皮(動物の毛皮・ファー)についての意識調査を行いました。その結果、82.8%の人々が今後毛皮を買わないと回答していることがわかりました。
また年代別、男女別の特徴も大きく出ており、10代の男性は最も動物に対して冷たい態度を取るにも関わらず、10代の女性は60歳以上に続いて2番めに動物に優しい態度をとることがわかった。その他の年代では男女で傾向が異なることはないが、10代だけは異なる価値観を持っているようにみえる。
また全体的に女性が動物に対する優しい態度をとることが明らかであり、一方でとくに若い世代の男性は動物に冷たい態度を取ることがわかる。
調査方法:一般調査会社のWEBモニターを利用したWEB調査
調査機関:2022年6月24日~7月1日
有効回答数:n=1203人(男性601 女性602)
毛皮(ファー)のために動物を飼育し殺すことに賛成ですか、反対ですか。
10代、20代の男性の賛成が32.1%、33%と突出して高く、一方で10代の女性は90%が反対しており、男女での意識の開きが大きい。
ファッションのために動物を飼育し殺すこと、賛成ですか、反対ですか。
全体としては85.8%がファッションのために動物を飼育し殺すことに反対であり、意識の高さがあらわれた。毛皮のためにという問よりも、ファッションのために動物を殺すことに抵抗を持つ人が4.2%多い。ファッションという必然性の低いものにたいして犠牲があることに抵抗があるものと思われる。
今後動物の毛皮製品を買うつもりはありますか。
82.8%の人々が今後毛皮製品を買うつもりはないと回答している。2014年の調査時には「どちらともいえない」の選択肢があったものの、毛皮を購入しないと答えた人は42.9%(購入する=8%、どちらともいえない=49.1%でどちらとも言えないと答えた人が双方に振り分けられた形と考えられる)であり、毛皮に対して態度を明確にした場合、購入しない人が圧倒的に多いといえる。
動物の毛皮(ファー)のついた衣類を購入することに、賛成ですか、反対ですか。
70.2%の人が反対と答えており、前の質問のように自身の行動について尋ねられた場合には、毛皮製品を購入しないと答える人が17.2%も増加することがわかった。この2つの設問から、他人の行動について制限することは憚られる人でも、自身の行動は変容させることができることがわかる。
現在、動物の毛皮が使われていても商品タグに素材を表示する義務がありません、表示は必要だと思いますか。
日本では毛皮が一部の嗜好品と考えられていたときに作られた制度のままで、動物の毛皮に限っては商品表示が義務化されていない。このことに対しては課題を感じている人は37.9%という結果になった。ファーを買わない人にとっては無関係とも言えるため、過半数を割って入るもののこの数字は低いとはいえない。とくに60代以上になると76.1%が表示の必要性を認識しており、消費者が正しく選択する権利および義務を認識できているものと考えられる。
エコファー(動物性ではないファー)の場合は商品表示がされているため、表示がない場合にのみ毛皮と判断することはできるものの、消費者のニーズに寄り添っているとはいえず、どの動物の毛皮でどこの国で作られた毛皮なのかを表示することが早急に義務化されることを望む。
カリフォルニア州は毛皮の販売禁止を決定し来年から施行されますが、日本でも動物の毛皮の販売を禁止することに賛成ですか。
動物の毛皮の販売を禁止することに賛成する人が45.7%と高い割合でいることがわかった。
毛皮農場(集約的ミンク飼育場)で新型コロナウイルスの変異ウイルスが発生しましたが、毛皮農場は必要だと思いますか。
日本でも75.5%の人が毛皮農場を必要と思っていないことがわかった。日本では2016年を最後に商業的に行われる毛皮農場は閉鎖されている。しかし法的には禁止されていないため、人々が意思を示し続けていくことが必要である。
洋服を買う際、何を重視しますか。(4つまで選択可)
洋服を購入する際に重視することについては、着心地や価格などの従来の指標が突出して多くなったものの、ファーフリーやオーガニック、環境への配慮なども一定数重視されていることがわかる。とはいえ、いまだに少ない数字と言える。現時点でアパレル産業にとって最も驚異になるのは新しい服を買わないようにしているという人々かもしれない。
※最後の選択肢は「新しい洋服を買わないようにしている」
年代別に見てみると、ファーフリーやアニマルフリーについては上記設問の通りの傾向が出ている。10代の特徴としては環境への影響を重視する傾向が20代~50代より高いことと、また流行を追いたいという嗜好性が高いこともわかる。ブランドや流行を重視するとした人は全体的に少なく、これらの嗜好性と倫理的な価値を比較すると、現状では同等、または倫理的な価値のほうが高くなっている。
男女比でみると、女性の方がより多く選択したことがわかる(1つ以上、4つまで選択が可能)。
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[…] 2022年6~7月にかけて行った国内の毛皮に対する意識調査の結果と、他国の意識調査の結果を比較してみた。 […]